りんごの木 ゴールズワージー

「差別せずとも、区別せず」
綺麗なお話として欧米人には読まれているのだろうけど、最後の罪についての反省がないままに終わってしまう。英国人の優越を物語った小説。はっきりと区別はせず少し外から眺める形でここまでだったら許せるだろう的な側面と確信から少しずれた位置から語る感じを、実際、文学として読むと実体が身にしみます。
罪と罰とかだったら、罪に苛まれて、悩み、苦しみの葛藤が延々と綴られるけど、そういうのがないのですよね。
この感じが英国人の奥底のプライドなのでしょうね。

リンゴの木 (角川文庫)

リンゴの木 (角川文庫)