株式会社ロシア

ユーコス事件を中心に、現代ロシア経済状況を書いた本。中古で買って一年半くらい前の本なんだけど、リーマンクライシスがあってからの激動部分が起こる前の上げ潮経済を描いている。
プーチンが「強いロシア」を目指して、どんどん民間企業の国営化を進めるにあたって、最初の標的「みせしめ」として、石油会社「ユーコス」を解体させた事件。あんまり生意気なことをしてると、国が介入しますよって「いじめ」だよね。カンペキな国策疑獄事件。
ソ連崩壊から民主主義路線をとって修正路線と証して、これからロシアの進む道が決定付けられた象徴的な事件。
更に、リーマンクライシスと原油暴落でオリガルヒが苦しんでるところに漬け込んで、外貨を貯め込んでいた国家が、民間の株を買い介入を始める流れも始まっている。
やっぱり、ロシアは帝国主義でないとダメって証!?これだから、ロシアは面白い。

ユーコス事件:1990年代前半の民営化以降続いた国家資産の争奪戦が行き着いた結果であり、エリツィン時代に台頭した支配勢力(オリガルヒ)がロシア伝統的権力機関に屈するプロセスであった。国内の欧米派勢力とロシア派勢力の路線対立が、ロシア派勢力の逆転勝利で決着を見た瞬間と言う事も出来る。
株式会社ロシア―渾沌から甦るビジネスシステム

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