焚火の終わり 上下 宮本輝

>

めずらしく輝さんにしてはくどいお話だったかもしれない。でも最後まで一気に読めちゃうところがすごい。


風呂の中で二日間で読んでしまいました。


現実の大阪と理想の園である海辺の家を行ったり来たりしながらオイヂュプス的な愛を確かめ合う。あまりこういう話好きではない、どうしようもないどろどろとした愛情劇はね。でも、これは読めました。下品にならなかった本が文学として残るんだと思う。


  • しなくてもいい苦労がいっぱい詰まっている壷には、その場限りの楽しみという蓋がしてある。
  • 強気で運まかせか。それがでけへんから、みんなサラリーマンやってるんや。
  • 死ぬ日が来るまで生きている。生きるために働いている。たいていのひとがそうなんやろうね。

焚火の終わり(上) (集英社文庫)

焚火の終わり(上) (集英社文庫)