「地球の歩き方」の歩き方

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本屋さんでこれを見かけたからには読んでみたければいけないだろう。


なんだかんだで、歩き方も本棚に30冊近く貯まってきているのだから。



歩き方の歴史が詰まった一冊です。


歩き方の出版前から今に至るまでの経緯を通して、旅行・出版業界や旅人の変遷の歴史も知ることが出来ます。


4人の核となる編集者の枠にはまらなくて、且つ一つの信念「自由旅行をしてほしい」という方針を軸に、変遷する時代に合わせたニーズに応えて発展していく歩き方の歩き方。



70年代に学生旅行を対象とした旅行代理店みたいなところから発して、リクルートっていうライバル会社に差を付ける為、その学生達からの投稿を基にした文集を配るところから歩き方の一歩が始まる。


自由旅行は誰にでも出来る。さあ皆行って見ようってな感じで、80年代になってタイトルを増やしていく。プラザ合意⇒バブルで一気に規模が大きくなり、旅行代理店のための本から独立して純粋なガイドブックへと方針は変わっていく。



次第に大きくなる歩き方では、昔の貧乏旅行を対象とした本が万人に応ずるような軟弱なガイドブックになっていってしまうことへのバッシングが大きくなるっていう件がひとつのシコリとなる。


昔はどれだけ貧乏な旅をするかを競っていた時代があった、その世代の人達から見れば、高級レストランやホテルが載った今の歩き方は、ポリシィを欠いたと写るのでしょう。



自分が歩き方を読むようになったのは5年くらい前からなので新しく刷新された後の時代しか知りません。バックパックを背負って旅に出るけど、貧乏な旅をしたいとも負わないし競いたいとも思わない。行ったからにはそれなりに楽しむところは楽しんでケチりたくはない。ホテルは大抵トイレ・シャワー付きに泊まるし、レストランに入ったりもする。ただ、必要以上な贅沢はしない。


それに、休みの期間はどんなに休めても7〜10泊分くらい。短期でも長期でもない。



そんな旅人にも今の歩き方は一番合うと感じることの出来るガイドブックなのだと思います。良い中道を行っていると思います。正直、世界一のガイドブックでもあると思います。



但し、心情としては自分がマイナーだと思って行った場所が歩き方に載ってしまうと少し悔しくなるときもあるのですけどね。


それに大部分を占めるスポットの紹介文とかって流し読み程度にしか読んでなかったり。


旅行人くらいのほうが謎解きする楽しみが残されてるっていうこともあったりするんだけど、それはそれで別の楽しみなわけで。


「地球の歩き方」の歩き方

「地球の歩き方」の歩き方