インパラの朝 中村安希

ホームページは前から知ってたんだけど、どうも旅のスタイルが自分とは合わないように感じられて好きになれなくて距離を置いていたのですが、ふと旅本の中でめずらしく売れている本というこで何処かで取り上げられていたので、読んでみようかなと。 二年でユーラシアとアフリカを旅した本なのですが、英語もしゃべれるし、学識もある筆者でかなり現地のひととの触れ合いにまで攻め込んでいる。 2年で180万といって、卑屈に感じるまでのケチな旅です。この辺が少し好きになれないところ。そこまでして移動にケチるかよ〜みたいな。ヒッチが多い。身の安全を第一に考えてない雰囲気をどうしても受けてしまうんだな。読んでていろいろ気をつけてるって書いてあるけど、それは帰国してから文章にしようとしたから、少しなりと読んでる人への対面を考えてオブラートで包んじゃってると思うのです。実際に旅していたときは、たぶん身の安全は二の次になっているか大丈夫だろうって思ってたんじゃないかな。その辺が気に入らなかった。 でも、旅本の中ではめずらしく本質を捉えてるなって内容です。現地の本質。バイアスの掛かっていない現実を赤裸々に正直に描いてます。 日本、もとい世界で間違った見方をしている現実に、切り込んでる。どちらかというと、流れるような旅人じゃなくて、使命感を持っていて純粋に楽しむ旅人ではないのだろうなって思ってしまいました。その辺が売れる本にしているのかもしれない。

日本の国際協力は、諸外国ほど露骨ではない。国の宣伝や未来投資から場合によっては距離をおき、もう少しだけ純粋に地域の実態を考慮しながら、素朴な支援を試みている。だから日本の協力は質や金額に見合うほどには世界で評価されていない。 ⇒ちょっとはっとさせられますね。ある部分日本の世論では、金だけの支援をしててしかも現地人にも世界に対しても目立たず、馬鹿を見ているっていう意見が多くて、自分も同意してたんだけど、少し思い直しますね。全部がそうではないんだろうけど。 アフリカにの貧困撲滅を!アフリカに支援と開発を! ⇒結局、国際社会の支援っていうのは先進国の利益になることしかやっていないっていう揶揄を込めてる。アフリカが発展すれば、それを公益する先進国が儲かるっていう論理がまかり通る。発展すれば格差が出来て、本当の貧困が生まれる。今のアフリカが貧困かどうかって言うのの定義の問題。本質的には貧困問題は、先進国と比べるからということに。
インパラの朝 ユーラシア・アフリカ大陸684日

インパラの朝 ユーラシア・アフリカ大陸684日