レー街歩き1

8:00過ぎに空港に着いて、そのままSiala-Guesthouseへチェックインしてひと休み。

機内で飲み過ぎたせいか高山病のせいなのか気分が優れず、しかも部屋は殆ど暖房の呈をなさない薄いガラス1枚の窓で幾らガスストーブを焚やしても温度が上がらず、疲れていて眠いはずなのに眠ることができないところからのスタートです。
冬でも水の出るゲストハウスということで予約してきたのに、お湯はおろか水もでないという設備。初めからそういう気持ちで来たのであれば、水がでないことくらいどうってことはないのですが今回は宿だけはそこそこの生活レベルと維持するつもりの気持ちだったので一気にテンションが下がります。
この極寒の中、大して暖まらないガスストーブのヒーティング料で500Rs(800円)も取られ、これから帰国するまでシャワーも浴びられないという現状は、旅初めの旅慣れていない心をズタズタにするには十分でした。
宿を替えようにも後で調べたところ、ゲストハウスレベルではまずお湯は出ず、ストーブがあるだけまし。そもそもオープンしてるゲストハウスを見つけるのも苦労するというのが今冬のレーの宿泊事情のようでした。

それでも陽が差してくると幾らか気温が上がってくると少し落ち着いて物事を考える余裕が出てきます。
ふとベットに寝転がり窓から見える透き通った空と山々、音のしない外を見ていると、隔絶された地域と高い位置に居るって感覚が徐々に沁みてきて旅への覚醒が始まりました。
この現実社会から隔絶されて旅へのスイッチがオンになる瞬間がとても大事で、出発前は億劫になりつつも毎回旅を続ける、旅をする1つの理由にもなってるんです、この瞬間と感覚って同じような旅をしてる人には良くわかると思うのです。

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 宿前の上り坂。なんか良い。

とりあえず、落ち着いてきたところで午前中いっぱいは高山病対策だと思ってお宿で休息。
体感気温は0度くらいなんじゃないかな、気温はもっと低いんだろうけど日差しがある分動いていれば寒くないくらい。
結局、この街には4泊することになって、それだけ居ると新鮮さも何もなくなってしまうけど、初日っていうのは何もかもが新鮮に映ります。

お昼近くになってようやく外に出掛けて見る。
街の坂道から覗ける背後の山々はなんとも高揚感のある景色で、足取りも軽くなります。
中心部に行くと、素朴な現地人の街生活と活気が溢れ、この生活感の中に紛れ込むのがまた良い。

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目抜き通りにはタルチョが無数にさがり、レーの街の象徴になっている感じです。
その中央に如何にもチベットな寺院がある。普通に入れたのでダライラマを拝んできました、寺院にタルチョが掛かっている画を見るだけでチベットに来た実感が湧いてくる、寒くてきんきんの澄んだ中でそれを見たっていうのも大きいのかもしれないけれど。

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 寒そう。1日も物売りをしているというより井戸端会議的な売り子

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 街中の寺院。ここでいつも休憩してた。

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 タルチョ。これは店で安く売ってる。

街を一通りみたところで本日の目的は、レーの王宮とナムギャル・ツェモです。
勾配がきついため、1日目は自粛したほうが良いとのことだったけど、登ってしまいました、かなりきつかったけど。
20歩くらい登っただけで息切れと動悸が激しくなってしまって動けなくなる。ここで無理をすると高山病になりそうだったのでゆっくり時間を掛けて、1時間くらいで登頂。
富士山よりも全然酸素が少ない、体調のせいもあるのかないのかわからないけど、富士山を5合目から頂上まで登るよりもつらかった。

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レーの王宮。抜けるような青い空

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結構、急な坂。真面目に富士山並

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この景色が一番レーらしい。これを写真に収めるだけで十分なくらいに

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レーの街並み。この景色を30分はのんびり眺めてた

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レーの建物の色

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空の色と白の建物。タルチョのコラボが良い

濃い空に白い壁面が映える、そこにタルチョが掛かる。
眼下にはレーの街並み。
景色だけで行ったら、ラダックの中でベストポイントだと思う。
こんなところに日本を発って1日で来れてしまう、ちょっと思い立てばすぐに非現実の世界に近づく。人との触れ合いはまだないにしろ、旅へのエンジンがかかり始めます。 

帰りは比較的楽。日陰に入ると寒くて敵わないけど、のんびり遠回りで散歩をするのも楽しい。

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時刻表

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バスターミナル

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寒いのに子供たちは元気

夕方は、南の方に回ってバススタンドやらバザールを徘徊。
汚い街だけど、寒いからなのかそれほど気にならない。夏に来たらどうなのか気になるけど、生活のレベル的にも、すごく貧しいって感じがしないのが不思議です。カンボジアとかとそう変わらないのだけど、皆ある程度今の生活に納得してる感があるような気がします。
納得っていうのは、諦めとかじゃなくて、この生活で十分っていう意味で。そりゃ、もっといい生活はしたいのは当たり前だろうけど、一つの妥協点があるような印象がありました。

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バザール

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旧バスターミナル

この時期、レストランが殆ど閉まってて食堂を探すのに手間取って、明るいうちに帰路に着けず、最初はまだ灯りがあったから良かったものの途中で停電になったらしく、真っ暗で何も見えない。
加えて道に迷って、野良犬に吠えられ追っかけられ、ものすごい恐怖を味わいました、土地勘が全くなくて人通りもない、真っ暗で数歩先も見えない、そしてこの寒さ。真面目にやばかった。
運良く、ペンライトが鞄の中に入っていたから良いもののなかったら完全に立ち往生でした。

そんな停電もあり、夜空には満点の星空。天の川は普通に見れるし、空はホントに明るい。星のないところを見つけるほうが難しい。
寒くて長くは持たなかったけど、良いものを見ることができました。