皇室展二部 + モーリー大学in日本医科歯科大学

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本当は、一部の若冲とか尾形が見たかったのですが、終わってしまったのですよね。


チベット展も興味があったのですが、年末でも良いかなと思って、引き続き評判の良い皇室展2部に行ってきましたよ。



夕方に行ったのに、10分待ち。


教科書に出てきた懐かしい展示品が多かったかな。


聖徳太子像と聖徳太子の直筆(法華義琉)


蒙古襲来絵詞


この辺りが見物ですね。他は書とか絵巻物は皆同じに見えちゃったり。



個人的に良かったのは、狩野永岳の散手・貴徳図衝立が良かったかな。保存状態がめっちゃ良くて、鮮明な色と顔に迫力がある。惹き付けられる力がありますね。良さを表現できる言葉が見つからないので、誰かと一緒に見て共有したい気持ちが・・・(^^;



好きな画家と言われてフェルメールとかフランス・ハルスとか外国方面で答えることが多かったけど、最近は若冲とか尾形、狩野派が良いように思えるようになってきたこの頃です。




で、今日の目的は、モーリー大学です。


無料講演だって言うから正直あまり期待していなかったのですが、終わってみれば内容が濃くて知識欲沸くお話でした。



1969年 ペンタゴンでの反ベトナム集会


1989年 鉄のカーテン崩壊


2009年 イラン選挙暴動


20年置きの民主革命を繋ぎ合わせる。最初は、情報が広まりにくかったけど、1989年革命ではペレストロイカに始まり衛星放送が情報公開を担い、2009年イランやモルドバなど、twitterを始め個人の情報伝達・取得能力が飛躍的に上がってきて、体制に影響を与える事象が増えてきている。


イランでの見せしめとして殺されたネーダらの携帯で撮影された動画が瞬時に世界に展開されて、外国人に影響を与え、反体制勢力が強くなる。


中東は比較的ネット情報規制が弱くて、アハマディネジャドらトップはその影響力を小さく見ていた。その点、中国の情報規制は完璧。



そんなイランにロシア企業が原子力を売ろうとしている、それもrokkashoの要らないフルサービスとしての原子力を。政情の安定しない、独裁国家へも売り込もうとしている。資本主義の名の下に倫理観を無視した売込みが始まろうとしている。イラン・ビルマ・北朝鮮にこれらが売り込まれたらどうなるか。資本主義の暴走。



中国といえば、アフリカ援助で搾取をしようとしているわけだ。ナミビアで似ロッキード事件を起こす。ただ、ナミビアでは独裁だけどメディア統制は比較的されていなかったため、国内では民主化路線が走る。中国国内では一切報道なし。



スーダンでは、南:黒人と北:アラブ人の内戦がある。南には石油があるから。ここに中国が石油利権を獲得しようと入り込む。それが内戦をより進めようとも関係ない。資本と利権に塗れた世界。


その中で、農民がコーヒー豆を栽培していても、資本主義の論理で農民がコーピー豆の価格を決めることが出来ず、安価な方向へ向かうため、農民が生きていけなくなる。日本の農業と同じことがグローバルなところで起きている。


そして、コーピー豆が駄目らからと、QATという麻薬の一種を栽培し始めることになる。



イエメンではQAT依存が男性で9割,女性で5割。文化としての位置付けになってしまっている。QAT栽培をすると水不足になる。そこで、日本:JICAが支援をする。


そこで、今回のJICA職員の誘拐が起こり・・・と社会の連鎖が続く。



資本主義の暴走を止めるのは、個々人の意識と情報取得・活用に掛かる。情報が広まれば、個々人の小さな一つの動きが世界に影響を及ぼすことが出来る。


資本の投資が倫理観に反することが含まれていれば、そこにリスクを見出すことが出来、暴走に歯止めをかけることが出来る。



ナオミ・クライン(反ベトナム集会をやった親を持つ)のSHOCK DOCTRINE批判。


ノーベル経済学賞フリードマンを批判したテロップがあった。


経済は何らかのショックがあって全てが入れ替わって発展していくという論理。


世界大戦、9.11、スマトラ島津波・・・何かのショックを糧に発展していく経済。


「現実の、あるいは仮想の(perceived)危機のみが真の変化を生み出す」


こんな新自由主義が跋扈したら大変だ!!



イラク戦争で儲けたのはチェイニー副大統領だ。


こういった危機を故意に起こしている可能性があると、批判する。


「チリにおける超インフレの引き金となった9・11クーデター(1973年)や、ロシアのみならずグローバル資本主義の引き金となったソ連崩壊など、大事件を、無規制の資本主義を実現する好機として利用した」


情報の連鎖が社会を動かしている。何か一つの物事の背景に何が隠れているかを少しでも知ろうとしよう。


バタフライ効果の小さな羽ばたきの出来る個人だということを認識していこう。




最後の方はテンション上がりながら聞いてました。楽しい!!いろいろな物事が繋がっていく道筋。こんなアグレッシブな授業を高校の頃聞けていたら、数学科には変わらず行っていたかもしれないけど、もう少し違った大学生活をしていただろうにと思い返す時間となりました。