タテブ修道院
2010/02/08(Mon)
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雪が深く歩きにくいゴリスの通りだが、天気はそこそこに良く、人口密度が高いせいか面を歩く人々の活気が感じられます。
時間があればここに一泊してゆっくり田舎街を堪能したいところなのですが、今日は日が暮れるまでにタテブ修道院までを往復しなければなりません。一度行ったことがあるのであればゆっくりも出来るのでしょうが、この雪を見て道中はすんなりはいかないだろうと推測したのです。
それでも適当に街を歩きながら宿やレストラン、バス停を探していると、脇道から出てきた兄ちゃんがタクシー?と声を掛けてくる。
タテブに行きたいと言うと10000ADM(2400円).それから南部の都市カパンまで行くと20000ADM(4800円)とのこと。少々値切ってタテブ+カパンまで19000ADM(4600円)で決着。そこそこ妥当な値段なのでしょう。
タテブまではpm3:00頃発で戻りが翌朝9:00発というバスもあるのですが、今回は日が短いということもあってタクシーを利用してしまいます。
タクシーは小さなセダン。この選択がこれから行くデコボコの山越え雪道でスリリングな行程となることはこのときは知る由もなく。。。
街外れのガソリンスタンドで燃料補給をして13:30頃出発です。こっちのセダンは後部トランクに積んだタンクに天然ガスを積めて燃料にしているらしく、運転中も燃料のonoffを始終切り替えている。
高台に上がっていくとゴリスの街並みが一望出来る。すぐに、道は完全な雪道になり、轍の後を探しながらの運転となる。
ここまで雪が深いとは予想だにせず。
道もデコボコでスピードは30kmくらいが限界。もっともスピードメーターはこっちの車によくあるように動作はしていないのだけれど。
幾つかの山を越える。遠くには山脈。所々で止まって写真を撮らせてもらいながら進んで行く。
難関はタテブ村前の峠越え。道は雪で敷き詰められているので下りの断崖絶壁はひやひやもの。運転手の腕を頼りにするしかないのだが、この運転手はそれほど雪道に慣れていないような素振り。
下に雪屋根の街並みを眺めながらの絶景なのだけど、身の安全が気が気じゃない。ここで落ちたら洒落にならないのだ。
ひとまず、下り終えると今度は上りだ。道に転がる岩にぶつけたり、底を思い切り擦ったりと車は悲鳴を上げる。運ちゃんも必至だ。
そして、上りも中腹に差し掛かり深い雪を一気に抜けようとした時、足を取られ走行不能になってしまう。
「あ〜やっちゃったよ」そんな感じ。
運ちゃんはエンジン吹かしたり、ハンドル曲げたりと車を揺ってるんだけど、脇は断崖だ。ここで失敗したらマジにやばい。とりあえず、車から脱出して外から手伝うことに。
押したり引いたり、足もとに溜まった雪をかいたりと汗をかきながらの重労働。30分くらい格闘していただろうか、ようやく脱出。
「ハラショー!!」なのだが、車を押した際に背中を痛めてしまい、なんでチャーターまでしてこんな目に・・・とも正直思ったりもする。でも、これも思い出だと気分を入れ替えます。実際、帰国してからはそうだしね。
トラブルはあったけど、15:30頃二時間掛けてタテブ村に到着。
タテブ修道院は雪の中。
断崖の山の縁に立っているんだけど、雪でよくわからない。内部は誰も居なく、静かな一時です。
もう少し古いのかと思ったけど、それなりに整備されていて奇麗で大きな修道院です。山奥にあるせいかどこか古めかしい形の彫りや像がちらほら。
どちらかと言えば、ここから見える遠くの山々がすごい。
眼下に広がる盆地にうっすらと靄が架かっていて、その先にくっきりと山脈が連なる。目に焼き付けると思わずとも目に飛び込んで切るこの景色は、無理して旅に出てきた甲斐があったと本当に感じることの出来るものでした。
ここタテブ村で一泊っていう選択肢もないではないけど、小さな何もない村なので冬は少し辛いかもしれない。
ここからカパンへの山道も地図の上ではあるのだけど、この雪では無理だと判断したのだろう・・・戻りも同じ道を行く。
正直、あの道を戻るんだと思うだけでもうんざりだ。
それでも、戻りは運ちゃんも運転慣れした感じで行きよりはスムーズ。途中、温泉の出る蛇口とかもあったりして休憩しつつでも一時間ちょいくらいでゴリスに戻ることが出来た。
途中、タテブ村行きのバスがすれ違った。