あの戦争は何だったのか 保坂正康

日本がこの戦争に走ってしまったのは「必然」だった。明治以降の日本には「ガス抜き」が必要だった。
この考え方は、概ね歴史の中の一般論として受け止められても良いものだと思う。いけないものはいけないのだけれど、本質を見極めずに正義論を並べるのはダメということ。
２・２６事件から始まる軍部の暴走、テロ行為に怯えて、まともな国家運営が出来なくなっていく議会と大本営。この中枢に翻弄され、半狂乱と化す兵士・国民。このこと自体はいけないことだけど、外部的要因によって、そうせざるを得なかったってことも真実。だから今の日本があり、生活があることも。
外部に翻弄されないためには？
危険な論理・思想・精神論に走らないようにするには？
当時、どこの国でも中枢部は、戦争したかったわけだよね、実際日本が一番したくなかったんじゃないかな。そんな感じがする。どう控えめに見ても勝利者の論理は、一般になるんだよね。
決定的に「いけないことはいけない」と認めた上でこれから繰り返さないように最大限努力するのが人間のするべきことなのでしょう。

あの戦争は何だったのか―大人のための歴史教科書 (新潮新書)