シベリア鉄道4日目(イルクーツク〜クラスノヤルスク〜マリインスク〜ノボシビルスク)

2011/01/19(Wed)〜20(thu)


夕方のイルクーツク駅は混雑している。この寒い中、ホームへの地下道前は人込みでぎゅうぎゅうだ。
出発前に売店でカップ麺やらビールやらを買い込む。片言のロシア語でも覚えておくと買い物がかなりスムーズに進んでくれる。


列車は、17:57定刻にホームに到着。20両近くある列車だから自分の乗る客車が停まる場所にすぐ辿り着くのは賭けに近い。
ここは停車時間が30分近くあるので問題ないけど、2分くらいの駅だとまず無理だろう。
このときは、運良く近くで待ってたから良かったものの、乗り込むのに列が出来てしまい寒いこと大変だった。


3号車7番(下段ベット)


イルクーツクからモスクワまでの列車は、No1:ロシア号です。
ウラジオストクからのシベリア鉄道王道客車ですね。
56000円也.
ロシア国旗の色に染められたカラーリングは微妙に趣味が悪い感じもするけど、一発でロシアだとわかる列車です。


ロシア号の個室には一つずつコンセントやTVがあり、トイレも飛行機と同じもの。外気温が表示される電光掲示板があったり、ヴォストーク号に比べるとかなりハイテクです。
TVはロシア語ばかりで古いドラマばかりで全く面白くないけど、コンセントはかなり役立ちます。これで充電に気にすることなくPCやiPodが使えます。


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ウラジオストク⇒モスクワ


定刻18:32発車
同室は、ウラジオストックから乗っている商社マンっぽいおじさんとイルクーツクからの若いビジネスマンの二人。
他のコンパートメントもほぼ満席に近い。こんな感じだと、当日予約で乗ろうとすると冬でも乗れない可能性がありそうです。


外は暗闇。ぼ〜っと本読んだりしながら、22:44ジーマ着。
外気温は-26度。T-シャツ一枚でビールを買いに行く人が結構居るけど、顔を青くして震えながら帰ってくる様を見るとほほえましい。
列車の中の雰囲気も個室のドアは開けっ放しで外に出てて、いろんな食べ物が散らばっている。何処かピクニックみたいな雰囲気があって心温まる瞬間でした。


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ロシア号


9:00まで熟睡。
いつの間にかに1人増え、個室は4人。この人がは軍事トラックオタクらしくPCでずっと、戦争関係の映画を流して皆に見せていた。いやおうなしにこの日はずっとこの映画を見て終わってしまう。


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クラスノヤルスク


11:17クラスノヤルスク着
時差が+4時間になる
大きなエニセイ川を越えるとすぐ。ホームには物売りが何人も来てるけど、ビールはすぐに売り切れ。
この辺りから街の景観がヨーロッパになってくる。
気温は-21度。このくらいだとホームに出るくらいだったら部屋着にダウン一枚で問題ない。慣れというのは恐ろしい。


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物売り


クラスノヤルスクでウラジオストックからの人が降りて、若い女の人が乗ってくる、この人は翌日エカテリンブルクで下車するまでずっと上段で寝っぱなしだった。
この辺りは、高く丘になった場所を列車は走る。白樺だらけのタイガだ。雪も50cmくらい積もっているところも多々。


17:32マリインスク着
ビールを仕込む。後で温かいペリメニが売っていたことに気付くも遅し。
-23度はイルクーツクより大分暖かく感じます。


戦争映画で人がたくさん殺されていたので、ぐっと気持ちが下を向き始める。運動もしないでずっと個室に居るとかなり気が滅入る。これから先はまだ長い、モスクワで襲われたらどうしよう、列車に乗り遅れたらどうしようなどと考え始めると切がない。
まだ、北京とモスクワの半分まで来たに過ぎないのです、モスクワからミンスクワルシャワ、そしてベルリンまで列車で乗り継がなければいけないのです。実際、旅程を決めるときは大して大変だとは思わなかったけれど、ここに来て、長いと思い始め、それが一層気持ちを下に向かわせようとしているようです。


19:07タイガ着
ここで戦争映画のおじさんが下車。これで3人。
コンセントが使えるようになり、PCでプロゴルファー花を見て、少しでも気持ちを上向かせようと努力です。


この後も短い停車を繰り返しながら列車は進んでいく。
スピードが遅くなると街が見え始め、停車をすると、がさがさと乗り降りをする音。音もなく静かに発車する列車。
ずっと個室に寝ていながら、音だけを聞いていると不思議な感覚になります、列車に乗っている当事者なのに何処か遠くから自分を見ているような感覚。
夢。
似ている気がします、非日常過ぎて何処か現実乖離してる部分があるのかもしれません。
でも、そうした感覚で居る間は、旅をしている実感が沸いてきて、気持ちも高揚する時間のようです。


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22:34ノボシビルスク
新シベリア市と名づけられた都市。かなり大きな街です。
この駅で外に出たかったのですが、気分が上向かず室内に留まる。
ここで、二人が居なくなり、二人となった。


二泊目の夜は、また熟睡。