スストからフンザへ

2011/10/14(Fri)
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デコトラ!!


タシュクルガンから一気にフンザまで行けなかったので、スストで一泊後の移動です。
洪水で道がダム化してしまって国際バスが運行出来なくなってしまっているのでこの国境越えは非常にめんどくさかった。


昨夜、レストランで会ったゲイのおじさんに交通手段を事細かく教えてもらったので、気分は結構楽でした。
まずは、ダム湖化してしまった北端のフサニという村行きのバスの交渉から始まります。


7:00頃通りに出てみると、俺と20$でどうだ?とか500Rsならすぐに出るだのいろいろカマをかけてくる輩が多い。もっと朝早ければ人が集まったのに、この時間じゃ集まらないぞ。と言われる。
嘘だとわかっていても誰も人が集まってないので本当に出ないのか?不安になるのが孤独な1人旅というもの。なので、とりあえず500Rsなら即出発するというミニバンに乗り込む。
ところが一向に出発せず、1時間くらい待ってようやく人が集まり始めぞくぞくと乗り出す、出発の前にはクラクションを鳴らしっぱなしで客を集めるらしい。結局、ミニバンに20人以上詰め込んで出発となる。さすがに、最初の話が違うので現地人と同じ150Rsにしてもらいました。


結局、時間的に言えば8:00頃は、通勤通学の人が結構いる時間帯で行く道々で人を乗せていく。既に満席なのに、ぎゅうぎゅう詰め。
それでもイスラムだから女性は前の席を広く使ってたりするところの配慮は良く出来ている。


そんな詰め込まれた状態で、これでもかというくらいに揺れまくり、埃だらけになる。
景色は絶景の連続なのだけど、必死に椅子にしがみつきながら、現地人の何日も風呂に入っていない体を押しつけられて、かなり辛い移動でした。
それが1時間半くらい続いて、パスーを通り過ぎ、ダム湖の畔にたどり着きます。

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フサニのボート乗り場


洪水でせき止められて出来たダム湖。いくつもの村が沈んだのでしょう。
予想以上にそれはでかく、水深がありそうで、水色の綺麗な湖。湖畔には、移動のためのボートが何隻も止まっていて、せわしなく荷卸しをしている。
基本、バスに乗っている人がそのまま船に乗るので、人数はすぐに集まり出発する。

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カラチから持ってきたボート?
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結構人が乗ってくる


噂通り、船を操作する人たちはこの辺の人とは違い、真っ黒でよりインド系の顔。カラチからの出稼ぎだという。
この人たちは、ちょっと乱暴で我が道顔で操縦席を闊歩している姿が、この湖と背景の切り立った岩山に被り、如何にも海賊っぽくかっこいい。
観光要素としては、ダム湖のボートのほうがバス移動よりも格段に上だと思う。

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海賊みたいでめっちゃカッコいかった!
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乗客も仙人みたいでホントゲームの世界みたい


但し、船はぼろく、水面を吹く風は冷たく、細かい埃が思い切り顔を叩く。水しぶきは掛かるし、水面は近い。波はそれなりに高くて、今にも沈没しそうなのだ。
こんなところで沈没したら、絶対に死んでしまうであろう船上だ。
真面目に、今回の旅で一番怖かったのはこのボートでの移動でした。


さて、ボートの料金交渉ですが、ここは100Rsが現地相場。外国人は300Rsと言われるけど、それを知っていたので100で突き通しました。他にも外国人が乗っていて300を払おうとしていたけど、自分が100しか出さなかったので皆、100で決着。


対岸のアッダボードまでは途中、何カ所か湖の村によって人を集めてたこともあってか、1時間半近く掛かったと思う。
自分的には、早くこの沈みそうなボートから降りて、寒さから解放されたかった。結構なところ、寒さは限界に近かった。


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アッタボードの船着場
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崖っぷちで怖いのなんの
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船から降りるだけでも大変


アッタボードの岸は、かなりの崖に接岸する。細かい砂埃が舞い、50度以上はある坂道をジープが登っていく。
少しでも坂道発進に失敗したらすぐそこは深い湖だ。船から降りるだけでも足がすくむほどの崖なのに、重い荷物と人を押し込んだジープは何事もないように坂を登っていく。


写真を撮ったりしていたせいで置いて行かれ、乗合ジープの確保に戸惑ってしまいましたが、アーリアバード行きの車で150Rs。
ここからはジープでないと走れないぐわんぐわんな道。日本だったらアトラクションだったとしても危険マークを付けるような道を猛スピードで駆けるのだ。
ジープの荷台に居るため、真面目にしがみついていないと振り落とされる恐怖が続きました。同乗のオーストラリア人もクレイジーと言っていた。


背景に7000m級の峰が連なって、下の峡谷にはちらほら村が点在して、黄色く紅葉したポプラが映える。そんな絶景なのに、写真を撮るような余裕はなく、後から思えば良い思い出なのだけど、そのときはとにかく必死でした。
しかも、ひらすら細かい砂塵が舞って、荷物から頭までごわごわ。本当に大変な移動でした。

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アッタボードからフンザまでは30分ほど。15時頃かな。
ようやく着いたフンザは、本当に桃源郷だった。

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